同じ職場に、昔
カメラ好きの先輩が居た。

この写真は、唯一撮ってくれたワタシ。
ほんとに上手で。
綺麗な写真が撮れるから、だけじゃない
その人の心に寄り添って、懐にうまく入ることが出来る人だったから

いつも先輩に、ずるい写真撮りますねと
口を尖らせて言ってみせた。

『 写真が上手くなりたいなら、人を沢山撮ろ。 』

先輩はいつもこう言っていた。
退職される日までも、遠くを見つめてそう言った。

ヤケにその言葉が耳に残ったままで

写真を撮る度に、ふとそのコトバと
あの先輩のことを思い出してしまう。

私は、人を撮るのが苦手だ。
何故なら、上手く撮れた試しがないからだ。

かと言って、なにを撮るのが好きかと聞かれても
よくわからない。

撮られるのはもっと苦手だった。

思い出したくもない暗黒時代(?)
中学生〜大学生の頃、顔を出すのが嫌でずっとマスクを着けていた。
楽しい学校生活の筈が、実に勿体ない事をしたなあと
今になって思う。

カメラを好きになってからは
撮られるのも悪くないのかもしれない
少しずつそう思えるようになってきた。

それもこれも、カメラという存在のお陰なのかな。

好きこそ物の上手なれ

そんなコトバがあるように
先輩のコトバを胸にこれからも
わたしは写真を撮り続けていこうと思う。